外科医不足のリアルな話

SNSを見ていると、外科医不足が叫ばれていますね。 実は「外科医」と一口に言っても、心臓、呼吸器、血管、消化器、小児、移植……と、かなり細かく分かれているんです。全体的に減ってはいるのですが、特にガクンと減っているのが、いわゆる「お腹の外科」である消化器外科なんですよ。
私も消化器外科でトレーニングを受け、胃癌、大腸癌や肝臓癌、さらには緊急の虫垂炎、腹膜炎など、数多くの手術を担当してきました。 当時はとにかく激務!休みの日も朝から晩まで緊急手術なんてザラで、「あれ、最後に休んだのいつだっけ?」状態(笑)。しかも、当時はほとんど無給のような形だったので、正直「これ、どうなってるの?」と思うこともありましたね。
専門にしていた移植外科でも、脳死ドナーからの臓器摘出に行って、そのまま一睡もせずにレシピエント(移植を受ける方)の手術。終わってからも術後管理でべったり……。2、3日まともに寝られないことも珍しくありませんでした。
そんな私たちのボロボロな姿を見て、若い研修医たちは完全に引いちゃって(笑)。 「先生、よくその安月給でそんな過酷な仕事やってられますね……」 なんて、同情混じりに言われたことも一度や二度じゃありません(泣)。
外科医のこんな過酷な生活に対して、今の若い先生たちはやっぱりシビア。私のようなドM精神(笑)だけで乗り切るような働き方は、もう時代に合わないんだなと痛感しています。
もちろん、目の前の命を救えた時の達成感は何物にも代えがたいものですが、それだけで「おいでよ!」と言えるほど甘い世界じゃないのも事実。
これからは、やりがいはそのままに、もっと若い先生たちが「外科医ってかっこいい!」「自分もやってみたい!」と思えるような、心身ともに健康的な環境作りが必要ですよね。
さて、そんな激動の外科医時代を経て、今はクリニックの院長として地域の皆さんの健康を守る毎日です。もちろん勤務医になかったいろんなストレスはありますが、あの頃の「一睡もせず」に比べれば今は規則正しい生活です。もちろん患者さんを思う気持ちの熱量は、今でもあの頃のままですよ!
今日も元気に診察室でお待ちしています!🍛✨
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