院長の秘密の過去1

「先生、どうして医者になったんですか?」 「なぜ移植外科なんて、珍しい道を選んだんですか?」

スタッフや患者さんから、よくそんな質問をいただきます。 実は私のキャリアは、決して最短距離ではありませんでした。今日は少しだけ、私の「秘密の過去」をお話ししますね。

「文学部に行きたかった」大学生時代

実は私は、かつて別の大学で土木建築を学んでいました。しかし、どこか「自分の進む道はこれではない」という違和感が常に拭えませんでした。

当時の私は、本の世界に没頭し、理想論や難しい哲学を振りかざしては悦に浸るような青年でした。今思い返せば赤面してしまうほど夜郎自大で、何も知らないくせに頭でっかちな理屈ばかり。そんな気恥ずかしい経験も、今の私の礎になっています。

「いっそ転部して、文学の道に進もうか……」 そんなふうに悩んでいたある時、ふと気づいたんです。憧れの作家たちには、医者を兼業している人が意外に多いということに。

「医学は、文学に近いのかもしれない」

今思えば、なんと単純な動機でしょう(笑)。でも、その言葉を真に受けた私は、勢いのまま大学を中退。医学部へと入り直したのです。

「理想」と「現実」の狭間で

でも、いざ入ってみると医学はやっぱりガチガチの理系。自然科学の世界です。 基礎医学を学びながら「やっぱり文学部に行けばよかったかな」と、頭でっかちに哲学書を読み漁っては悩む日々。

「もし留年したら、その時はスッパリ辞めて文学部に行こう」

そんな風に不純な動機(?)で自分に猶予を与えていましたが、運が良いのか悪いのか(笑)、一度も留年することなく卒業し、気づけば医師になっていました。

世俗にまみれるのも、悪くない

20代前半、学校にも行かず本ばかり読んで、理想論や哲学に浸っていたあの頃。 今の自分を当時の私が見たら「なんて世俗にまみれた大人になったんだ」と驚くかもしれません。

でも、泥臭い現場で、理想論だけでは語れない現実と向き合い、患者さんの人生に触れる。 これこそが「社会で生きる」ということであり、あの時哲学書を読んで悩み抜いた経験が、今の私の血肉になっていると感じます。

作家になる才能はなかったけれど、今はこうして北九州の街で、目の前の患者さんと向き合える日々に感謝しています。

……なんて、たまに少しストレスが溜まると、そんな青臭い過去を思い出してしまいますね。 明日からも、地に足をつけて頑張ります!

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