シャント手術について

当院では、血液透析を行う患者さまにとって必要不可欠なシャント手術を専門的に行っております。シャントの作成から再建、トラブル時の処置まで、すべて日帰り手術で対応しています。


主な対応内容

内シャント(自己血管)の新規作成

前腕や上腕の動脈と静脈を吻合し、シャントを作成します。

人工血管シャントの作成

自己血管でのシャント作成が難しい場合に行います。従来のePTFEグラフトに加え、早期の穿刺が可能なポリウレタン(PU)製のベクトラⓇ、患者さまの状態に合わせて最適な人工血管を選択しています。

シャントトラブルへの対応

シャントの血流不全、狭窄、閉塞などのトラブルに対し、シャント再建術や血栓除去術、経皮的血管形成術(PTA)を実施します。

PTA(経皮的血管形成術)

バルーンを用いて血管を拡張する治療です。血管の狭窄や閉塞に対しては、単純なバルーン拡張術だけでなく、血管の再狭窄(開存期間)を延長させるための工夫も積極的に行っています。

  • DCB(薬剤溶出性バルーン):バルーンに特殊な薬剤が塗布されており、狭窄した血管を広げると同時に、血管内に薬剤を浸透させて再狭窄を予防します。
  • カッティングバルーン:バルーンに小さな刃がついており、バルーン拡張時に血管内膜を切開することで、より効果的に血管を広げ、再狭窄を抑制します。
  • バイアバーン(ステントグラフト):内側に人工血管が縫い付けられたステントです。狭窄部位の補強と同時に、血管を保護することで、開存期間の延長が期待できます。

当院では、患者さんの被曝や造影剤によるアレルギーのリスクを避けるため、エコーガイド下でのPTA治療をメインに実施しています。

その他の対応

  • シャント肢の動脈表在化手術:高齢の方や心機能が低下した患者さんのシャントトラブルにも対応します。
  • カフ型カテーテルの留置術:心機能低下、血管が荒廃した方、穿刺時の痛みが強い方、寝たきりの方などに適応ある長期留置型のカテーテル留置術を行います。

特徴と方針

痛みの少ない手術を

PTAの拡張時の痛みは想像を絶するものがあると患者さんからお話を聞きます。局所麻酔により十分な除痛を行うことを心がけており、高齢の方や合併症をお持ちの方でも安心して手術を受けていただけます。また希望の方には静脈麻酔による眠った状態で手術を受けることができます。

日帰りまたは短期滞在での安全な手術管理

患者さんの負担を軽減するため、安全管理を徹底した上で、日帰りでの手術を実施しています。

どうしても入院したい場合は事前にご連絡ください。当院で術後入院可能な医療機関をご紹介いたします。

紹介元医療機関との連携重視

術後は詳細な報告書をお渡しし、速やかに通院透析へ移行できるよう配慮しています。

送迎対応(地域内)

通院が難しい患者さまには、当院の福祉車両による送迎サービスもご利用いただけます。


受診の流れ(紹介・予約制)

  1. 医療機関からの紹介(診療情報提供書)
  2. 初回診察・超音波検査などの術前評価
  3. 手術日程の調整(場合により当日に手術行います)
  4. 手術(原則、日帰り)
  5. 術後報告書を紹介元へ送付し、透析施設での使用開始へ

透析患者さんにとって「シャント」は、まさに命綱ともいえる重要なアクセスです。

当院では、患者さまの負担を最小限に抑えながら、確実で長持ちするシャントの作成と、トラブルに対する迅速な対応を通じて、安心して透析を受けられる体制づくりを支援しています。

シャントでお困りのことがございましたら、まずはかかりつけの血液透析医療機関にご相談の上、当院へご紹介ください。