広告とエビデンスの話
一日日記をお休みしてしまいました!昨日は休診日だったので、ついサボってしまいました(笑)。
さて、今日は事務仕事をしながらYouTubeを流し聞きしていたら、なんとも奇妙な広告が耳に飛び込んできました。曰く、「頻尿の原因は膀胱の垢」だと…?🤔
思わず「なんだそれ!?」とツッコミたくなりましたね(笑)。確かに、高齢になると膀胱の機能が落ちて頻尿や尿失禁は起きやすくなりますが、原因が「垢」ということは医学的にはありません。細菌が繁殖する「膀胱炎」ならありますが、それを「垢」と表現するのはさすがに無理があるでしょう😅。
気になって、そのサプリメントの成分を見てみたら、一応は八味地黄丸という頻尿に使う漢方の成分が入っていました。「なるほど、成分自体は納得だけど、謳い文句が全然違うよな!」と思いながら見ていました。
世の中には、このようにおかしな効果をさも真実のように宣伝している商品が本当に多いです。
「薬」と「サプリメント」の決定的な違い
当院に来られる患者さんの中にも、サプリメントを好んで飲んでいる方がいらっしゃいますが、私達医師から言わせれば、「どうせなら、薬のほうがよっぽど良い」というのが本音です。
患者さんは「薬は怖いから」「サプリは薬じゃないから安心」と躊躇されるのですが、逆なんです。
- 安全性(治験): 処方薬は、何千人、何万人という大規模な臨床試験(治験)を経て、安全性と有効性が国によって担保されています。だからこそ、保険を使って処方できるんです。
- 規制の厳しさ: サプリメントは「食品」扱いなので規制が緩いです。安全性や効果に関するエビデンスが、処方薬に比べて圧倒的に不足しています。最近の紅麹の件なんかは、皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。
しかも、サプリメントは処方薬より高い場合が多い。理由の分からないキャッチーな宣伝に騙されて、エビデンスの乏しいものにお金をかけるのはもったいない!
もし何か不調を感じたら、医学的なエビデンスがしっかりある処方薬を安全に使い、きちんと治療してほしい。これが、医療に携わる者として切に願うことです。
今日も一日お疲れ様でした!また明日から頑張りましょう!💪