慢性腎臓病(CKD)と早期対策の重要性

腎臓の機能が長期にわたって低下した状態を、現在は慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)と呼んでいます。腎臓は、加齢とともに機能が衰える臓器ですが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病によって進行が加速します。

現在、日本にはCKD患者が約1,330万人いると推計されており、決して他人事ではありません。

症状が出た時には進行している

腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、機能が半分以下になるまで自覚症状が出にくいのが厄介な点です。症状が現れるときには、すでに病気がかなり進行しています。

初期には、検診で蛋白尿血尿を指摘されたり、体内の水分調整ができずにむくみ(浮腫)が出たりします。しかし、一度壊れてしまった腎臓の組織は残念ながら修復できません。そのため、治療は「進行を遅らせること」がすべてとなります。

末期腎不全を避けるために

CKDが進行して、腎臓がほとんど機能しなくなった状態を末期腎不全といいます。こうなると、命をつなぐために血液透析腹膜透析、あるいは腎移植といった腎代替療法が必要となり、生活は大きく変わってしまいます。

そうなる前に、早期の対応が何よりも重要です。健康診断で「高血圧がある」「蛋白尿が出ている」といった指摘があったら、症状がなくても必ず医療機関を受診しましょう。CKDの進行を食い止めるには、原因となる病気を早期にしっかりと治療することが鍵となります。