はじめまして。

このたび、北九州市に「正木クリニック」を開院いたしました、院長の正木紀行です。

私は幼い頃を北九州で過ごし、約40年ぶりにこの地へ戻ってきました。北九州は、日本の近代化を支えてきた歴史ある街であり、私自身にとっても多くの思い出が詰まった大切な場所です。そんな街で医師として働き、地域に貢献できることを、とても嬉しく、光栄に思っています。

これまで東京女子医科大学腎臓外科に所属し、腎移植・膵臓移植やバスキュラーアクセス手術(シャント手術)など、高度な医療に携わってきました。命をつなぐ現場で一人ひとりの患者さんと真剣に向き合う中で、医師としての使命と責任を深く学んできたと思っています。

また、希少がんである肉腫の手術や、基礎研究にも関わってきました。米国への留学では、病態解明や新たな治療法の研究を通じて、より広い視野と柔軟な考え方を身につけることができました。臨床と研究の両面で得た経験は、今の自分にとって大きな財産です。

私が研鑽を積んだ東京女子医科大学腎臓外科は、1970年に太田和夫先生によって創設されました。太田先生は、日本における移植医療・透析医療を広く普及させた先駆者であり、その志と情熱は、数多くの医師たちに受け継がれてまいりました。私もまたその薫陶を受けた素晴らしい指導医の先生方のもと、寝食を忘れ夢中で働く中で、太田先生が掲げた「全人的な医療」の理念を深く胸に刻むことができたと自負しています。

腎臓外科で過ごした年月は、私にとってかけがえのない時間であり、臨床・研究・教育の三本柱の重要性を、身をもって学ぶ場となりました。残念ながら、腎臓外科は2019年度末に閉局となりましたが、その精神と哲学は今なお私の医療の根幹に息づいています。

そして今、学んできたことを地域医療の中で実践する場として、北九州に「正木クリニック」を開院しました。この八幡地区で根を張り、日々の診療を通じて信頼を積み重ねていきたいと思っています。

当院では、シャント手術などのバスキュラーアクセス治療を中心に、内科・外科・泌尿器科の診療も行っています。高血圧、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病、怪我やできもの、巻き爪、排尿に関する悩みまで、日常の中で気になる身体のことに幅広く対応しています。

大切にしているのは、患者さんの訴えに耳をしっかり傾けること。痛みや不安をできるだけ減らし、わかりやすい説明と丁寧な対応を心がけています。「ここに来てよかった」と思ってもらえるようなクリニックでありたいと、日々考えています。

これからも、地域の中で必要とされるクリニックを目指して、一歩ずつ進んでいきます。どうぞよろしくお願いいたします。

院長 正木紀行